卒業式に「袴スタイル」がピッタリなわけ

 

早いもので、3月がスタートしました。

 

3月と言えば、卒業シーズン。

女子学生の卒業式の定番と言えば「袴姿」!

 

担任した生徒を送り出す学校の先生や、

最近では、小学校の卒業式でも

袴姿の子供たちがいますよね。

 

すっかり卒業式には欠かせない衣裳。

 

今の袴スタイルは、

華やかで可愛らしく、活動的なフレッシュさがあり、

それだけでも女子学生には十分魅力的な衣装だと思います。

 

やはりテンションがあがる衣装なのです(^^)

 

 

さて、今日は

その「袴」について書いてみますね。

 

 

「袴」を穿いたことありますか?

 

男性用・女性用でちょっと形は違うのですが、

大まかに分類すると、こんな感じになります。

 

 

■袴の種類

 

馬乗り袴(うまのりばかま)・・・ズボンタイプ

行灯袴(あんどんばかま)・・・・・スカートタイプ

野袴(のばかま)・・・・・・・・・・・・・モンペタイプ

 

それ以外に、

武道用や神職用、宮中装束の袴があります。

 

女性用の袴は、

スカートタイプの「行灯袴」がほとんどです。

 

 

■袴の歴史

 

袴らしきものをはいている埴輪があるくらいなので、

古墳時代からあったもの。

 

女性の袴は平安~鎌倉時代にかけて

使用されていましたが、その後はパッタリと途絶えます。

 

武家社会では、

袴が男性の権威の象徴でもあったからでしょうね。

 

紆余曲折を経て、

現在の行灯袴の形が生まれたのは、明治時代。

 

女学校の制服として、採用されました。

 

椅子に座って授業を受けたり、運動するのに、

帯結びが崩れたり、足元がはだけたりするのを

気にせず済むよう、

宮中用の袴を改良し、誕生したと言われています。

 

 

■なんといっても注目の的

 

明治から大正時代にかけては、

女学校に通えるのは、やはり少数派。

 

当時の俗謡や、夏目漱石の小説にも記述があるくらい、

袴姿は印象に残るものだったみたいですね。

 

以降、女子学生ファッションとして瞬く間に広がりました。

 

私が抱いていた、当時の女子学生のイメージは、

袴姿に束髪庇髪で自転車に乗っている「ハイカラさん」(^^;

 

これ、実際にモデルになった方がいて、

彼女の自転車通学を見るために見物人がいたとか・・・。

 

まさに注目の的ですね。

 

 

■社会進出を支えた衣装

 

女学校の卒業生たちが、社会に出ていくに従い

職業婦人にも愛用され、袴はさらに広く普及していきます。

 

当時の雑誌の表紙には、

現在のアイドルのように、袴姿の女性が描かれ

最先端ファッションだったことがわかります。

 

憧れや注目を受け止め、

新しい時代、新しい使命に

いち早く飛び込んでいく女性たちに愛された「袴」。

 

着物ではできないと思っていたことも、

活動的な袴なら叶えられる!

 

シャネルスーツが西洋の衣裳革命なら、

袴こそ、日本の衣裳革命。

 

単なるトレンドではなく、

メンタルやスピリットを育み、

女性のチャレンジを支えた衣装とも言えます。

 

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女学校の制服だったことからも、

学業セレモニーとも結びつけやすい。

 

また、宝塚歌劇団の卒業式が、凛々しい袴姿だったのも、

卒業式に袴スタイルが広がった一因ともいわれていますね。

 

袴の歴史を紐解くと、

卒業式に袴姿はホントにピッタリだなと思うのです。

 

社会へ活動の場を広げ、

新しいステージに進んでいく節目となる卒業式。

 

女性のチャレンジを支えてきた袴が

卒業式を迎える彼女たちの後押しになれば嬉しいです。